子宮体部は内膜、筋層病変に分けられます。

また、子宮は比較的容易に生検が可能ですので、画像診断に組織型の推測が求められることは基本的にありません。

ただし、筋層病変は生検ができないことがありますので、超音波で診断困難な場合はMRIで質的診断が重要となることがあります。

子宮体癌

不整性器出血で発症します。

内膜細胞診で陽性となったところで画像診断に回ることがあります。

発癌形態からの分類で、

  • Ⅰ型(類内膜癌G1およびG2):エストロゲン依存性におもに若年者に発生
  • Ⅱ型(類内膜癌G3,漿液性癌、明細胞癌):非エストロゲン依存性腫瘍で高齢者、Ⅰ型と比較して予後不良

に大きく分けることができます。

多くはⅠ型で類内膜癌です。

一方で、Ⅱ型は漿液性腺癌などで腹膜浸潤などを伴うことがあり予後が悪いとされます。

子宮体癌は、卵巣癌ほど抗癌剤の標準化がされておらず、外科的治療が主となるのがポイントです。

子宮内膜癌の画像診断

子宮体癌の画像診断では、

  • 筋層浸潤
  • 頚部間質浸潤
  • 子宮傍組織浸潤

の有無をチェックしていくことが重要です。

筋層浸潤については、深部筋層浸潤(1/2以上)の有無により

  •  ⅠA:筋層浸潤なしもしくは1/2未満
  •  ⅠB:1/2以上の深部筋層浸潤

と病期分類されます。

ほとんどの症例はⅠ、Ⅱ期で診断(7割以上)することが多く特にⅠA>Ⅱ期が多いとされます。ですので予後が良いことが多いです。

この筋層への浸潤の有無を確認する際に、MRIの感度、特異度が高いと報告されています。

MRI検査では、T2強調像のみでは十分ではなく、造影MRI、可能ならばダイナミックMRIが望ましいと言われています。

またDWIも有用です。

進達度診断では子宮体軸に合わせた矢状断と横断像の2方向以上からの観察が重要です。

ダイナミックMRIでは筋層浸潤症例はSEE(subendometrial enhancement)が断裂していれば筋層浸潤と診断されますが、SEEは半分程度の症例にしか見られません。

ほとんどの症例はⅠ、Ⅱ期で診断(7割以上)することが多く特にⅠA>Ⅱ期が多いとされます。ですので予後が良いことが多いです。

子宮傍組織浸潤を疑う所見としては、毛羽立ち、輪郭が追えないことが重要です。

子宮肉腫

質的診断はMRIでの評価が推奨(推奨グレードC1)されています。

肉腫を疑うMRI

  • T2強調像で高信号腫瘤
  • 出血・壊死、浸潤性増殖

※出血については、T2強調像で低信号(出血示唆)、T1 強調像T2強調像で高信号(メトヘモグロビン)と言った所見を拾います。

子宮肉腫と富細胞性子宮筋腫は鑑別が困難なことがあるので注意が必要です。