門脈とは肝門に入る静脈のことで、肝臓に流入する静脈が門脈に注ぐ静脈ということになります。
ちなみに肝静脈は肝臓から出ていく静脈ですのでこれには含まれません。
門脈に注ぐ静脈にはどのような血管があるのでしょうか?
図と実際のCT画像を用いて門脈の解剖、門脈に注ぐ静脈についてまとめました。
門脈に注ぐ静脈
- 上腸間膜静脈(SMV)
- 下腸間膜静脈(IMV)
- 脾静脈
- 左胃静脈
が主な静脈です。
上腸間膜静脈は、小腸(空腸・回腸)、結腸の近位部からの静脈が集まったものです。
下腸間膜静脈は、結腸の遠位部や直腸の上側である上直腸静脈が集まったものです。
脾静脈は脾臓から、左胃静脈は胃の一部の静脈です。
ではこれらをCT画像で確認しましょう。
門脈・流入静脈CT画像まとめ
腹部CTの横断像(輪切り)です。
徐々に下側(足側)へと進んでいきます。
門脈を水色で塗りつぶしました。
それ以外の血管は、肝静脈、肝動脈です。
肝臓のいろんなところに水色、つまり門脈の枝を認めていることがわかりますね。
少し下のスライスに移動すると、門脈臍部(もんみゃくさいぶ)と呼ばれる構造がみえます。
肝臓には右葉と左葉があり、それぞれ流れる門脈を門脈右枝、門脈左枝と呼びます。
この門脈臍部は門脈左枝により構成されます。
さらに下に行くと肝門部から入っていく太い門脈がみえてきます。
さらに下に行くと、肝臓外の門脈となります。
さらに下にいくと、ようやく門脈に流入する静脈がみえてきました。
- 上腸間膜静脈
- 脾静脈
です。
さらに下に行くと、下腸間膜静脈も見えてきました。
今回は上から下(頭側から足側)へと画像をすすめましたが、実際の血流の流れは下から上に流れています。
この図の通りですね。
左胃静脈は今回は省きました。
最後に
- 門脈のCTでの解剖
- 門脈に流入する静脈
について、イラスト(図)と実際のCT画像を用いて解説しました。
参考になれば幸いですm(_ _)m