胸部CT画像の肺炎の所見から、その起炎菌を同定することはある程度可能と言われています。
そのポイントは、まずは気管支の走行を無視した浸潤影の広がりを見せる非区域性パターンを取る起炎菌を知ることです。
非区域性パターンを呈することが多い起炎菌
非区域性パターンを取る起炎菌としては、
- 肺炎球菌
- 肺炎桿菌(クレブシエラ)
- クラミドフィラ
- レジオネラ
が重要です。
もちろんこれらの起炎菌であっても近年は抗生剤の発達により、気管支肺炎のパターンを呈することが多くなってきていると言われています。
ただし、起炎菌の推定の目安にはなります。
気管支肺炎のパターンを見た場合、上記に挙げた起炎菌以外をまずは考えます。
若年者ですとマイコプラズマ肺炎が特に有名です。
気管支肺炎のパターンとは?
- 区域性分布ならば気管支肺炎のパターン
- 気管支壁の肥厚あれば気管支肺炎のパターン
- 分岐状粒状影あれば気管支肺炎のパターン
中でもマイコプラズマ肺炎は自信を持ってマイコプラズマ肺炎が疑われる!と言えることが多く、上記に加えて
- 非区域性パターンを呈しにくい
- 粘液栓を認めない。
- bulging signを認めない(マイコプラズマ肺炎の場合はへっこむ)
といった点が特徴となります。
逆に言えば、これらを認めた場合は、マイコプラズマ肺炎以外の混合感染を起こしている可能性が高くなります。