加齢により椎体骨は脂肪髄(黄色髄)に置き換わっていきますが、全てが置き換わるわけではなく、赤色髄も残存します。

この際、T1強調像で

  • 赤色髄
  • 転移性骨腫瘍

ともに低信号として描出されるため、鑑別が困難な場合があります。

この場合は、in/opposed phaseにより診断を行います。

すなわち、in phase→opposed phaseにかけて赤色髄は明らかに信号低下します。

というのは、赤色髄には水と脂肪が40%ずつ含まれており、in phase→opposed phaseで脂肪分が低信号に置き換わるためです。

ただし、この割合が異なり水成分が脂肪成分よりも相対的に多い場合は、in phase→opposed phaseでの信号低下が明瞭でない場合があり、その場合は、骨転移(骨梁間転移など)も考慮しなければなりません。

その場合は、T1強調像や拡散強調像などの所見も合わせて総合的に判定します。

参考:画像診断 vol.38 No.6 2018 P590-591