後頭蓋窩に発生する脳腫瘍の鑑別は、成人と小児で異なるため分けて考える必要があります。
成人の後頭蓋窩脳腫瘍の鑑別
- 転移性脳腫瘍
- 血管芽腫
を鑑別に挙げます。
最も多いのは転移性脳腫瘍です。
小児の後頭蓋窩脳腫瘍の鑑別
- 髄芽腫(medulloblastoma)
- 上衣腫(ependymoma)
- 毛様細胞性星細胞腫(pilocytic astrocytoma)
- AT/RT(atypical teratoid/rhabdoid tumor)
などが鑑別として挙げられます。
随伴所見からの鑑別
播種を伴っている場合
- 髄芽腫>AT/RT
局在
- 小脳半球:AT/RT
- 小脳半球〜虫部:髄芽腫
- 小脳虫部、第4脳室:上衣腫(Luschka孔やMagendi孔に進展することもある)
石灰化
- 上衣腫、AT/RT、脈絡叢乳頭腫
嚢胞形成
- 毛様細胞性星細胞腫>AT/RT>髄芽腫、上衣腫
造影効果
- 上衣腫、髄芽腫:比較的均一に増強
- AT/RT:充実部や嚢胞壁が不均一に増強
- 毛様細胞性星細胞腫:壁在結節のみ増強
拡散強調像
- 髄芽腫:高信号
- 毛様細胞性星細胞腫、上衣腫:拡散制限なし。
参考文献:臨床画像 vol.34 no.4 増刊号、2018 P54-57