脳腫瘍は腫瘍が脳実質内にあるのか実質外にあるのかでまずは大きく分けられます。
実質外にある場合に、最も頻度が高いのは髄膜腫です。
鑑別として問題になるのが、SFT/HPCです。
SFT/HPCとは?
- SFT:solitary fibrous tumor
- HPC:hemangiopericytoma
のそれぞれ略で別物と考えられてきましたが、NAB2-STAT6融合遺伝子がどちらにも見られるためWHO2016でSFT/HPCと統一されました。
髄膜腫とSFT/HPCの画像上の鑑別のポイントは?
SFT/HPCと髄膜腫の鑑別のポイントとして、SFT/HPCは
- 髄膜腫同様に多血性
- 脳実質浮腫が髄膜腫よりも生じやすい
- 発症年齢が髄膜腫より若年
- 血管造影では硬膜支配と軟膜支配の二重支配であることが多い
- MRIでは、T1WIで均一な低信号部位が、T2WIで低信号と高信号を呈するblack-and-white mixed pattternを示す点が鑑別に有用
- 髄膜腫では通常見られないflow voidを認めることがある
- 造影効果は不均一
- dural tail signを認めないことが多い
- 髄膜腫は隣接する骨に骨過剰症を生じる一方、溶骨性変化を生じる
- 石灰化が見られにくい
と言う点が鑑別のポイントとなります。
参考文献:臨床画像 vol.34 no.4 増刊号、2018 P50