アルツハイマー病(AD)で脳に起こること
ADの2大病理と言われる
- 老人斑:アミロイドβ
- 神経原性線維変化:タウ
の沈着が起こります。
なかでも、
嗅内皮質(きゅうないひしつ)と呼ばれる部位である側頭葉前部の内側領域に位置し、嗅脳溝の内側部分においてADでは神経細胞の脱落が起こり、薄くなることが知られています。
アルツハイマー病(AD)の診断基準
NIA-AAにてADが広いスペクトラム(preclinical stage→MCI→ADと)を持つ疾患とされた。
脳萎縮の程度の評価
- VSRAD:健常者の脳画像データベースと統計学的に比較
- Zスコア:被験者画像と健常者平均画像を統計比較した結果、平均値からどれだけ標準偏差分離れているかを示す。
DLBとの鑑別(ADと複合していることもある)
DLB:lewy body pathology→中脳幹背側灰白質と、扁桃体の体積減少
- high likelihood DLBでは海馬は保たれるが、脳幹背側灰白質が減少する。
- MCIにおいて海馬体積が保たれていると、DLBへの移行のリスクが高い。
- 特にnonamnestic MCIではDLBへの移行のリスクが高い。
と報告されている。
認知症の画像解析が難しい原因
- 複合病理の頻度が高い ADとDLBの合併
- 多くの複合因子(白質病変や性別)
- 加齢性変化
- 縦断的評価の重要性(preclinical stageやMCIからADとなる予測)
- 病理評価の困難性(剖検で初めて明らかになる疾患)