- 低血糖症状→インスリノーマ
- 難治性消化管潰瘍→ガストリノーマ
と膵内分泌腫瘍が見つかることが多かったが、現在は非機能性の膵内分泌腫瘍が偶発的に見つかることが増えています。
今回は膵内分泌腫瘍についてまとめました。
膵内分泌腫瘍の画像診断
膵内分泌腫瘍の発見や診断に用いられる画像検査としては、
- 超音波検査
- 超音波内視鏡検査
- CT検査
- MRI検査
- FDG-PET検査
- ソマトスタチン受容体シンチグラフィ(SRS)
などがあります。
ソマトスタチン受容体シンチグラフィ(SRS)
神経内分泌腫瘍(NET)では、ソマトスタチン受容体を発現しているので、ソマトスタチン類似体に放射性物質を加えた薬剤を投与することで、原発巣および転移巣への検出が可能です。
ただし、神経内分泌腫瘍ならば必ず陽性となるわけではありません。
また、神経内分泌腫瘍のWHO分類における
- NET G1、G2→SRS陽性、FDG-PET陰性
- NET G3、神経内分泌癌(NEC)→SRS陰性、FDG-PET陽性
となることが多いと報告されており、FDG-PET検査と併せて評価することが重要です。
神経内分泌腫瘍の分類
WHO分類は2017年に改訂されました。
膵内分泌腫瘍は、
- 膵神経内分泌腫瘍(PanNETs)
- 膵神経内分泌癌(PanNECs)
- 混合型(MiNEN)
の3つに大きく分けられます。
さらに、Ki-67指数、核分裂像といった病理所見により、
- 膵神経内分泌腫瘍(PanNETs)→PanNET G1,G2,G3
- 膵神経内分泌癌(PanNECs)→small cell type,large cell type
にわけられます。
なぜこのように細かく分ける必要があるかというと治療法が異なるからです。
膵内分泌腫瘍の治療法
膵内分泌腫瘍の場合、転移があっても切除可能ならば切除を行うのが基本です。
切除不能ならば薬物療法が行われます。
- オクトレオチドLAR→NET G1
- ランレオチド→NET G1
- エベロリムス→NET G2,3
- スニチニブ→NETG2,3
- ストレプトゾシン→NETG2,3
と言う薬剤がそれぞれ用いられます。
膵内分泌癌(NEC)に対しては、
- シスプラチンとエトポシドの併用
- シスプラチンとイリノテカンの併用
が行われます。
参考文献:画像診断 vol.38 No.9 2018 P952-953