単純CTで高吸収な腎腫瘤を見たときの鑑別診断は?

単純CTで高吸収、造影CTで均一な造影効果を示す腎腫瘤を

hyperattenuating homogeneously enhancing massといいます。

このパターンの腫瘤を見たら、

  • 乳頭状腎細胞癌(腎細胞癌の1つ)
  • 脂肪の少ない腎血管筋脂肪腫(fat poor AML)

などが鑑別に挙がります。

また、単純CTで高吸収、造影CTで造影効果が認められない場合は、high-attenuation renal cystすなわち、

  • 複雑性嚢胞(complicated cyst):腎嚢胞に出血や感染を合併したもの

が鑑別に挙がります。

造影効果があるとは?CT値がどれだけ増加した場合?

一般的に腫瘍に造影効果があるかどうかの判断には、造影前後でCT値が20HU以上の上昇があれば、造影効果ありといいます。

一方で、0-20HUのCT値の上昇の場合は、pseudoenhancementとよばれるCT特有の線質硬化アーチファクトの可能性があり、「造影効果あり!」とは言えません。